ゼミ生が今の自分で語る つぶやきの場

多摩大学経営情報学部松本ゼミです。ゼミ生が今の自分が思っていること、考えていること、感じたことなどを代わり代わりに語るする場です。松本ゼミスーパー事業部のFacebookでも公開中です。ゼミ生の普段の活動の様子などもご覧いただけると幸いです。https://m.facebook.com/MatsumotozemiSuperDivision/

失われた言葉のかけがえのなさ

☆ゼミ生が今の自分で語る つぶやきの場 No.9☆

こんにちは!3年の清水です!!

12月に入り、クリスマスの季節がやってきましたね。
新型コロナウイルスの波もだいぶ落ち着いてきた中、
変異株が見つかり国内でも確認されています。
新型コロナウイルスの対策もしてクリスマスを楽しみましょう。

さて本日のテーマは、
最近流行りの小説
『#残像に口紅を』の魅力を
紹介したいと思います

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小説『残像に口紅を』の魅力
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『#残像に口紅を』は、中公文庫で出版されている
時をかける少女」などの作品で知られる
筒井康隆 さんの小説です。
この小説は、
「#世界から一文字ずつ言葉が消えていく」
という文字や単語が徐々に使えなくなっていく中で
物語が進んでいくという作品です。

例えば「#あ」という言葉が消えれば、
「#あ」という文字が世界から消えるだけでなく
「#朝」や「#あかり」といった
「あ」のつく単語の概念も世界から消えます。
それどころか名前に「あ」がつく人ですら
この作品内では消えてしまいます。

皆さんは朝という言葉を
「朝」という言葉を使わずに
「あ」という文字を使わずに
どのように表現しますか?
私なら
光の領域が部屋の隅々に広がり、闇が後退していく
といったところでしょうか。

今回は「あ」という文字のみでしたが
もちろん作中での使えない文字は
「あ」だけとは限りません。
『#残像に口紅を』では
ページをめくっていくごとに
だんだんと使える文字が減っていき
失われた言葉のある世界で
作者が様々な表現を駆使して
読者に物語を伝えていきます。

この小説を読むことで私は、
「#失われた言葉のかけがえのなさ」
を感じられると思っています。

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失われた言葉のかけがえのなさ
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言葉は
自分が言いたいことを相手に伝えるための手段として
相手の言葉を自分が受け入れることのできる手段として
とても重要な役割を果たしています。

作品では登場人物と読者である自分の間に
物語が進むにつれ、
共通の言葉や言語失われていくため
彼らとの意思疎通が困難になっていきます。

このことから
#共通の言葉を使ったコミュニケーション
というものは
大切であるということが分かります。

最近では、SNSなどの
新たなコミュニケーションツールの普及により、
言葉は略語やスタンプのように置き換わり、
#わかる人にはわかる言葉 
を多用する人が増えてきました。

もちろんこれは円滑にコミュニケーションをする上で
効果的な側面も持ち合わせていますが、
それらは身内だけの言葉に過ぎません。

#誰にでも伝わる言葉
をいざというときに使えなければ
作品中の登場人物と読者の自分のように
コミュニケーションの壁が生まれ、
自らで#言葉を失った世界 を作り出し、
コミュニケーションがしづらくさせてしまいます

多くの人が言葉を失っている社会であるからこそ
#かけがえのない本来の伝わる日本語を使ったコミュニケーション
というものが大切になってくるのではないでしょうか?

『#残像に口紅を』は、
他にも様々な見方ができる作品なので
皆さんの是非読んでみてください。

清水(3年7期生)